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防衛庁払下げ 自衛隊偵察用オートバイ ホンダXL250S


この偵察バイクで一番困難だったのは軽車両として登録だった。偵察バイク自体は完全な状態で自衛隊から払下げられていたが、軽車両として登録するための必要な公的な書類は当然無い。これでは通常、公道を走行するための車両ナンバーを取得をすることはできない。そこで各地の陸運局にこの偵察オートバイXL250Sを持ち込んで、なんやかんやとナンバー登録の為の交渉を続けた結果、所管の警察署が発行するある書類を揃えるとの条件で正式なナンバー取得を実現する事に成功した。

偵察オートバイを乗っての初偵察は、京都にある護国神社と決めていた。ある晴れた日に、テスト走行を兼ねて。大阪から京都の往復約140キロ位を完走。ツーリング中、一度もトラブルに見舞われる事もなく、偵察オートバイもすこぶる調子よく快適なツーリングだった。偵察バイクは完全な自衛隊仕様だが、ライダーの服装がカジュアルだった為、町中や国土でも注目される事もなく、粛々護国神社でお参りをして帰路についた。

快適ではあったけれども、XL250Sのブレーキ性能の悪さは下調べしてた見聞通りで、普通のバ イクのつもりでブレーキングすると大変危ない状況に陥る。何度がブレーキのタイミングをミスしてしまい、偵察オートバイが『ズズズッー』と滑るような状態でなかなか停車しない。これはかなり怖かった。

長い間このXL250Sは倉庫に入庫したままだったが、また最近(2013年)になってパーツを新しくする作業を続けている。今回の「防衛庁払下げ 自衛隊偵察用オートバイ ホンダXL250S」の記事更新のその一環である。既にエンジンもかからない状態で、燃料を入れてキックを数回すると、キャブレターから燃料も漏れている。車体も長い間の車庫生活で幾分くすぶった感じが否めない。こいつにまた魂を吹き込んでやろうかと密かに計画している。

ホンダXL250Sというバイク

この自衛隊偵察オートバイを入手するまでXLシリーズについては名前程度しか知らなかった。そこで本田技研工業のサイトやユーザーのサイトを調べてみると、発売 当時はなかなか画期的な機能を持たせたホンダの意欲作である事がわかった。2ストローク方式が全盛の時期にあえて4ストロークエンジンで市場に登場させ、 ヒット商品となったのがこのXL250Sだったようだ。そこに目をつけたがどうかは定かではないが、防衛庁採用となるからには、そのベースとなるこのバイクの基本性能の高さが、当時の車体としては評価できる性能であったことは間違いない。

xl250s 今 回入手した偵察バイクの原型となる民間型のXL250S。赤色のスマートなフレームが印象的。オリーブドラブでエンジンガードやラックが付いた偵察バイク とは見た目や印象が大きく異なる。電装が6Vで夜間などはライトが暗く、ウインカーも点灯しない場合が多い。しかし発売当時としてはホンダの野心作では あった。(photo:ホンダ)
xl250r こちらはXL250R(写真はパリダカモデル)。こちらも防衛庁に偵察バイクとして納入されていた。電装が12Vに強化され、ブレーキの制動力向上などが図られている。(photo:ホンダ)

新設計の4サイクル・エンジンは、高い吸排気効率をねらい、2本ずつの吸・排気弁を採用。単気筒ながら2本の排気管を持つ。このため、高速時の出力はもち論、歩くよりも遅いような低速での長時間走行も可能な、すぐれた冷却性と、低中速でねばり強くパワーバンドの広い出力特 性を備えている。
125CCなみの軽い踏力で始動ができる、キック・ペダル連動デコンプ機構も採用。信頼性が高く、メインテナンス・フリーのCDI点火装置ともあいまって、確実・容易な始動ができる。
ミッション・シャフトと兼ねた2軸式バランサー機構を採用し、小型で振動の少ないエンジンとした。 シート下に装備したセンター・マフラーや、軽量化(乾燥重量119kg)を追求したフレームにより、取りまわしの楽な車である。23インチ大径新パターン・タイアと、204m/mの 長いクッション・ストロークがあいまって、高い最低地上高(255m/m)がえられた。これらの諸特性により、オフ・ロードでは起伏の激しい所も容易に走り抜けるすぐれた走破性を持ち、 オン・ロードでは振動の少ない快適な走行が楽しめる。

XL250S主要諸元

全長(m) 2.175
全幅(m) 0.875
全高(m) 1.185
軸距(m) 1.390
最低地上高(m) 0.255
車両重量(kg) 128(整備)119(乾燥)
燃料タンク容量(L) 9.5
燃料消費率(km/L)(50km/h定地走行テスト値) 50
登坂能力(tanθ) 0.57
最小回転半径(m) 2.2
エンジン形式 空冷4サイクルOHC 単気筒
総排気量(cm3) 248
内径×行程(mm) 74.0×57.8
圧縮比 9.1
最高出力(PS/rpm) 20/7,500
最大トルク(kg-m/rpm) 2.0/6,000
始動方式 キック式
一次減速比 2.379
変速比 1速 2.800
2速 1.850
3速 1.375
4速 1.111
5速 0.900
最終減速比 3.785
フレーム形式 ダイヤモンド式
キャスター(度) 28°30′
トレール(mm) 138
タイアサイズ (前) 3.00-23-4PR
(後) 4.60-18-4PR
ブレーキ形式 (前) ワイアー式リーディングトレーリング
(後) ワイアー式リーディングトレーリング

車体重量と燃費に関しては、自衛隊偵察バイクの方が特殊装備(ガードやラック類)の重量加算分があるので燃費は幾分悪くなっている。また、変速比は民生販売用と防衛庁納入モデルでは若干の変更を施してあるとの事だ。

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10 Responses

  1. 加東圭子 より:

    いつもブログ拝見させていただいてます。「所管の警察署が発行するある書類」とありますが、どのような書類で、私でも取得可能なものでしょうか?
    お教えいただければ幸いです。

    • webmaster より:

      僕が取得した時は、5年以内に刑法犯などで警察のお世話になっていなければ大丈夫との事でしたが、刑法にそのような規定があるかどうかは不明です(お世話になっていても取得できるかもです)。直接メールを頂ければ、必要な書類についてお答えさせて頂きます。(不特定多数の方が見れるコメント欄では、制度を悪用されてしまうと困りますのでご理解下さい。)

  1. 2009年2月7日

    […] 前回、combat.chでレポートしたXL250Sは バイクとしてはとてもいいバイクだ。個人的には、あのバイクの持つ独特のフォルムが大好きだ。だが、ブレーキが非常に怖かったり、電圧なんて6 […]

  2. 2009年2月10日

    […] 今回はcombat.chのレポートで掲載されているおなじみの陸自偵察バイクXLR250RとXL250Sを イベント会場に持ち込んでいた。これは偵察バイクを会場内で乗ってのってもらうイベントを計画していたのだが、残念ながらこのイベントは天候不順の為危険 と判断し、急遽中止となった。偵察バイクはもっぱらcombat.chのスタッフが食器洗いや買い物などに利用するに留まっていた。 […]

  3. 2013年6月16日

    […] として再生して、保管しておこうと考え中だ。全く手の入っていない状態で入手できた偵察オートバイXL250Sに続いて、自衛隊オリジナルな偵察オートバイ2台目としてのレストアの野望を持っている。予算的なものはまったく不透明だが、来月中頃までには目処を付けたいところ。 […]

  4. 2014年1月11日

    […] ホンダ XL250S […]

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  8. 2015年8月19日

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このサイトで良く見かける19偵(第19偵察隊)とは?

ウェブサイトのタイトル画像やタイトルにもなっている19偵は、第19偵察隊という意味なんですよね。実際の自衛隊にはこの部隊名の偵察隊はありませんので、架空の偵察隊のナンバリングを頂いております。偵察オートバイやミリタリーバイクでツーリングしたり情報交換したりと、偵察オートバイ・ミリタリーバイクのオーナーズグループの仮名称といった感じですかねぇ・・。実際になんら活動予定などはないんですけどね・・・ツーリングとかキャンプとか行けたら楽しいかな?なんて思ってます。