本物の海兵隊M1030を間近に見てから、米軍で使用されているミリタリーバイクにも興味が湧き始めた。そこで米軍で採用されているミリタリーバイクについて少し調べた事を記事としてアップしておくことにする。自分で米軍のミリタリーバイクを購入するときの参考にしたいと思う。
第 2次世界大戦から各国の軍隊で使用され続けているミリタリーバイクは、通信(伝令)や偵察などに数多く使用され続けてきた。しかし近年ではその座を4×4のATV(全地形車)に奪われれつつある。ATV(全地形車)は、伝令や偵察といった任務に加えて、少量の戦闘用物資を運搬する事も可能となっていて、実際に使用する最前線の兵士からも「気軽に使用できる」と人気は上々だ。また、ATVは4輪であるため、バイクと違って転倒などをする心配がなく、作戦行動中の損失リスクはミリタリーバイクよりも低いデーターが出ている。
そんな中でも、米軍の一部の部隊や米国特殊作戦部隊(SOF)などでは、現在でも伝令や偵察といった用途でミリタリーバイクが採用されている。
米国特殊作戦部隊(SOF)が使用するミリタリーバイクの共通点は、ライダーの個人的なウェポンシステムと連動した赤外線ヘッドライトやそれらをコントロールする為の特殊装置が装備されている。 車体は対赤外線塗料で塗装され、非常に静音性に優れたマフラーを装着しており、過酷な戦闘状況での損耗を防ぐ為の工夫が施されているようだ。
カワサキミリタリーバイク KLR250/KLR 250-D8
カワサキKLR-250ミリタリーバイクは伝令やごく少量の戦術的な補給物資、そして、戦闘区域の偵察活動を行う手段として、米国海兵隊や特殊作戦部隊、米空軍の一部の部隊で使用されまています。 1984年から採用されている KLR 250は、1991年モデルのKLR 250-D8へと交換配備が行われました。
KLR 250をより大型化したカワサキKLR 650オートバイは、海兵隊によって M1030M1/B1 ディーゼルミリタリーバイクとして海兵隊で活躍している。
米空軍の特殊作戦部隊(AFSOC)の2名の兵士が、カワサキKLR250-D8のバイクに乗っている写真(左上写真)。 CCTバイクは、特殊な構造を持つパレットを用いて空中からの投下衝撃に耐えうる事が可能で、航空機から空中投下作戦にも投入される。米陸軍 第75レンジャー連隊では、この伝令/偵察用のKLR-250シリーズのバイクと、ミニバイクとしてスズキのDS80(右上写真:民間型)を採用している。
カワサキ M1030 , M1030 B1 /M1 Diesel Military Motorcycles
1984 KLR 250から順次交換配備されたのが、1991前後から配備が進められているM1030である。カワサキM1030、カワサキM1030B1はガソリンを燃料とし、最新型であるカワサキM1030M1のエンジンはJP4、JP5、JP8、灯油、ディーゼル燃料を使用して走行する事ができる。これは米軍の燃料統一化に沿った配備更新計画で、2004年年頃までにはガソリンで走行するミリタリーバイクは最前線からは姿を消している。
多種燃料エンジンの採用は、1ガロン当たり約100マイル(160Km)以上も走行することが可能で、バイク本体が被弾した際の爆発炎上などのリスクも大きく引き下げる事ができる。また、各種の基本性能もガソリンで走行するM1030やM1030B1よりも優れている。
M1030のベースはカワサキKLR250Dを採用しており、M1030B1/M1はベースはカワサキKLR650が採用されている。ちなみに、英国軍やNATO軍への輸出モデルはM1030M1Eのラベリングを実時して輸出されているようだ。
ちなみに、こんちゃねさんオフィスに遊びにきてもらったM1030は、下の表で言えば一番左端にあたる、M1030(ガソリンエンジン 250ccモデル)になる。日本国内で所有するのであれば、車検が必要なく税金も安く上がるこのガソリンエンジン250ccモデルがベターな選択だ。一番の問題は、海兵隊M1030は既に退役して10年という月日が流れ、コンディションの良い払下げ品を見つける事は困難だということだろうか?
M1030 | M1030B1 | M1030M1 | |
NSN | 2340-01-340-5246 | 2340-01-465-2533 | 2340-01-530-9371 |
全 長 | 86 in. | 85 in. | 85 in. |
全 幅 | 34 in. | 35.75 in. | 35.75 in. |
全 高 | 48 in. | 54 in. | 54 in. |
車両重量 | 293 lbs | 358 lbs | 369 lbs |
燃 料 | MOGAS | MOGAS | JP8/Diesel |
容 量 | 2.8 gal. | 6.0 gal. | 4.2 gal. |
燃 費 | 75 | 55 | 96 |
Fording depth | 18 in. | 24 in. | 24 in. |
Engine | 23 hp. 1 cyl, 250cc | 48 hp. 1 cyl, 651cc | 30 hp. 1 cyl, 611cc |
Transmission | 6変速 | 5変速 | 5変速 |
ミニバイク (カワサキ KLX110 / スズキ DS80 )
米空軍の特殊作戦部隊(AFSOC)特殊戦術の一部の部隊では、250ccよりも小型のカワサキKLX110を採用している。ミこれらのバイクは特殊降下作戦などを行う部隊に少数が配備されているようです。カワサキKLX110はその小型のサイズから、パラシュートでの物資投下が容易であり、航空輸送能力の負担を最小限にして、作戦区域内における特殊部隊員の高機動能力を確保する事ができます。また、 MH-6ヘリコプターの側面に特殊な装置を懸架装置を装着して、急襲的な攻撃に活用することもできますし、GMVまたは類似の戦闘車両の後部に簡単に収納することができます。
同様に、米陸軍 第75レンジャー連隊ではスズキのDS80を採用しており、敵支配地域内における隊員の機動力確保に大いに貢献している。
Christini AWD(ホンダ CRF450)
米国特殊作戦部隊(SOF)に配備されて比較的新しい部類に入るChristini AWD、この新しいミリタリーバイクは、アフガニスタンの作戦区域で米海軍シールズ や 米軍特殊部隊などの特殊作戦ユニットによって使用されています。 Christini AWDはホンダCRF450をベースにして、カスタムされて米軍へ納入されている。こちらも、米軍の燃料統一規格に対応する形で、450ccの4ストロークディーゼルエンジンが採用されている。こちらのバイクは、ミリタリーモデルも一般に販売しているようなので、意外と簡単に購入(輸入)する事ができる可能性はあるかもしれない。 あくまでも、輸入の為の送料や諸経費を考慮しないで購入できる潤沢な予算があればの話だが・・・・。製造メーカーの公式サイトは以下のリンクを参考にしてほしい。
Christni AWDホームページ: Christini AWD (www.christini.com)
少し調べてみたが、米軍でも思ったより多くのミリタリーバイクが採用され実用されているようだ。ここに記事として書いたミリタリーバイクの他にも、部隊ごとに試験的に採用されているバイクも複数あるようなので、今回の記事では写真などで車種がはっきりと判明するものだけをピックアップしておいた。
いずれはこの記事にミリタリーバイクの情報を追加していこうと考えているので、気長に待っていてほしい。